Druckの先端技術は快適な空の旅に貢献しています
お客様: 商業、行政、軍事、セキュリティ関連のサービスで使用されるジェット機の世界的大手航空機メーカー
産業分野: エアロ・スペース(航空宇宙分野)
アプリケーション: 飛行中の環境制御システム(ECS)の性能向上
ソリューション: ドラックのエアロスペース・チームは、お客様のECS設計の特定のニーズを満たすために低圧(双方向差圧)OEMセンサーを開発しました。このOEMセンサーは、ドラックの3000シリーズ・エアロスペース向けの圧力センサーのプラットフォームをベースにした製品です。
旅客機は、乗客を場所から場所へ安全かつ快適に輸送できるように設計されています。飛行中、高度36,000フィート、気圧3.3 PSI(約227.5 hPa)の環境において、外気温が-70°F(摂氏-57℃)の低温に達する場合があります。航空機がこの厳しい環境で安全かつ快適に乗客を輸送するために、地上条件に似た環境を提供する環境制御システム(ECS)が装備されています。
旅客機の機体に設置されたECSは、乗員と乗客に一定の清浄な空気の流れ、温度制御、および安定した機内圧力を提供します。 そのためECSの信頼性は、機内の電子機器の正常な動作を保ちながら、搭乗者の安全と快適さを保つためにとても重要です。
お客様は、システム内の低圧をバランスよく精密に制御するECSについていくつかの課題を抱えていました。まず、ECSでは2つの圧力源からゼロ付近の圧力値を制御するためにコンパレータシステムが使われていましたが、ゼロ付近の差圧読み値の必要な確度は±4 psi (約275.7 hPa)。これを超えると、電圧出力が発生し、機内ダクトの空気流れを増減する信号が制御システムに送られています。
このレベルの制御を提供できる信頼性の高い圧力センサーを見つけることは、かなり難しい課題です。しかし、このアプリケーション内で不具合が発生すると、AOG(航空機が地上に待機する)状態が発生し、お客様のコストもかかり、機体全体の信頼性が失われる可能性があります。
ECS要求事項のレビューとお客様との技術的な打ち合わせの結果、ドラックはお客様のニーズに対応するOEM圧力センサーを開発することに合意しました。ドラックの既存のエアロスペース用の圧力センサー3000シリーズプラットフォームに基づいて提供されたソリューションは、厳しい精度要求を満たせる低リスクのアナログ製品でした。航空分野でのソフトウエア認定の必要がないため、ドラックチームは18か月でプロジェクトを達成することができました。他社に比べて非常に短い開発時間でした。
Druckの圧力センサーソリューションのメリットは次のとおりです。
- 高い信頼性 - Druckの圧力センサーの心臓部であるシリコン及びセンサー製造の厳密なプロセス。
- センサーの信頼性 - 信頼性の高いセンサーのおかげで、予定外のメンテナンス、想定外の関連コストの発生、航空会社と機体の信頼性の低減に伴う航空機のAOG状態を避けることがことができます。
- 製品開発時間の短縮が可能。
- 競争力のある価格設定 - お客様の開発コストの削減に寄与します。
このプロジェクトの成功で、ドラックは現在類似品を航空宇宙分野の新規のお客様にも採用いただき、そのお客様の別の航空機プラットフォームに同製品が採用されました。
次に旅客機シートの上にある空調通気口を調整するときは、ドラックのエアロスペース・チームの圧力センサーの性能のおかげであることも思い出していただけるのではないでしょうか。