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フィルムの露光中や処理中に起こりうるエラーはどれか?
X 線写真の密度の差が検査する対象物の欠陥に起因するものだと判断する前に、
フィルムの間違った処理の結果でないことを確認する必要
があります。 従って、再発を防ぐためにフィルムの検証時に
そうした間違いを認識できることが基本となります。 フィルムの表面を斜めから見ながら、
光に向けて、2 つの乳剤面を比べることで、
誤った処理による不良を識別できることが多々あります。 X 線画像は通常
フィルムの両面で同一ですが、処理中の不良は片側だけに影響することが多く、
表面の反射に変化が見られることがあります。
最も一般的な不良と考えられる原因は、以下の通りです。
不十分なコントラスト
a: 通常の密度の場合:
- 放射線が強すぎる
- 現像時間の短縮によって補正された過剰露光
- 不適切な現像液、または間違って混ぜた現像液
- 冷たすぎる現像液の中で長時間の現像
b: 十分でない密度の場合:
- 十分でない現像
- 使い古した現像液
- 不適切な現像液、または間違って混ぜた現像液
過剰なコントラスト (中間のトーンが欠けている)
- 放射線が弱すぎる
- 長時間の現像で補正された不十分な露光
- 不適切な現像液、または間違って混ぜた現像液
全体的な密度の不足
- 放射線が弱すぎる
- 長時間の現像で補正された不十分な露光
- 不適切な現像液、または間違って混ぜた現像液
全体的に過剰な密度
- 過剰露光
- 長時間の現像または現像温度が高すぎる
- 不適切な現像液、または間違って混ぜた現像液
不十分な鮮明さ
- 線源と焦点の距離が短すぎる
- 露光中に線源または対象物が移動した
- フィルムと対象物の距離が遠すぎる
- 線源または焦点の寸法が大きすぎる
- フィルムと増感紙の接触が弱い
- 間違ったタイプのフォイルを使用
灰色のもや (局所的または全体)
- 不適切な暗室の安全照明
- 安全照明への過剰な暴露 (長すぎるまたは近すぎる)
- 誤って X 線またはガンマ線、白色照明に暴露されたフィルム
- 重度の散乱
- フィルムが古すぎる、または不適切な条件下で保管されていた (下部のもや)
- 過剰な現像で補正された極端に足りない露光
- 使い古した現像液、または間違って混ぜた現像液
- フィルムカセッテと熱にさらされたフィルム (日光、ラジエーターの熱など)
- カセッテが適切に閉じられていない (端のもや)
黄色いもや
- 酸化した現像液での長時間現像
- 使い古した定着液
- 現像と定着の間のすすぎが十部でない 注: 黄色いもやがはっきりと現れるまで数か月かかることがあります。
2 色性のもや (反射した光による緑と黄色、透過光線によるピンク)
- 定着液に汚染された現像液
- 現像後にフィルムを十分にすすがず、使い古した定着液で定着させた
- 定着液に入れるときにフィルムと別のフィルムが重なった (定着液で現像を続ける場合)
- 使い古した現像液での長時間現像
- 使い古した定着液で一部が定着し、白色照明にさらされたフィルム
- その後もう一度定着させた
まだらのもや
灰色のまだらのもやは、一般的にフィルムが古すぎるか、好ましくない条件 (湿気がある) 下で
保管されていたことが原因で起こります。
白色堆積物
- 現像液または定着液を作るために使用した水が硬すぎる
- 洗浄水が硬すぎる
- 現像後にフィルムを十分にすすいでない
透明なパッチ
- 端がはっきりした小さな丸い穴: 現像の最初の 30 分にフィルムを動かし続けていなかった
- 現像前にフィルムに定着液または水滴がかかった
- 露光前の乳剤に対する物理的なダメージによる印
- フィルムの乾かし方が速すぎて均一でないことによる印 (乾燥キャビネットに置いたときに、水滴が残っていると発生します)
- 透明なパッチは、現像中にフィルムが他のフィルムやタンクにくっついたりすると発生することがある
- フィルム上の油分は現像液の浸透を遅くするか、妨げる
- 増感紙の状態が良くない
- 露光中にフィルムとスクリーンの間に異物 (金属の粒子など)
があった - 小さくて透明な穴 (通常端が黒い) は、乳剤が細菌から局所的な攻撃を受けた時に起こることがあります。 これは、特に洗浄水に不純物が含まれている場合、一般的に暖かく湿った環境でゆっくり乾かすと起こります。
透明な線や筋
- 露光前にフィルム封筒に尖ったもので傷がついた
- 現像中のフィルムの動かし方が不十分
- 乾燥が均一でない (洗浄した後の拭き方が雑なフィルム)
- 現像前に乳剤に定着液または停止液がかかった
透明な図形
- 露光前に 2 本の指の間でフィルムを曲げると、透明な三日月の図形が現れることがある
- 油分、定着液、停止液、酸などで汚れた指でフィルムを触ると、指紋が現れることがある
暗いパッチ
- 現像前にフィルムに現像液がかかった
- 現像前にフィルムに水滴がかかった
- 特に空気の相対湿度が低いと放電マークが現れることがある
- 露光後の乳剤に対する物理的なダメージによる印
暗い線や筋
- 露光後に乳剤をひっかいた
- 露光後にフィルムが入ったフィルム封筒に尖ったもので傷がついた、または何か書かれた
- 現像中のフィルムの攪拌が不十分
- 均一でない乾燥
- 現像前に乳剤の表面に水または現像液がしみた
暗い図形
- 暗い三日月の図形 (上記の「透明な図形」参照): 露光後に曲げたりすると、周辺よりも暗い色で現れる
- 指紋: 汚れた指でフィルムに触った
- 放電 (「暗いパッチ」参照)