非破壊試験における中性子ラジオグラフィ: 非破壊試験における用途と限界

中性子は無電荷の亜原子粒子で、ほとんどの材料
に浸透し、途中で減衰するので、「X 線写真」を生成するために使うことができます。

さまざまな種類の中性子エネルギーがありますが、NDT 用途に適しているのは
熱および冷中性子のみです。 keV および MeV 範囲のイオン化放射線と対照的に、
中性子の吸収は重い材料よりも軽い材料の方が高くなります。

中性子は、含水素物質、プラスチック (あらゆる種類)、爆発物、油、水などが
鉛、鋼、アルミニウムでできた金属含有物内にある場合、それらの影響を
強く受けます。

中性子画像の用途の可能性はたくさんありますが、持ち運べる適切な中性子源がないため、
使用は大幅に限られます。 原子リアクターの中性子「窓」は
圧倒的に優れた源ですが、そのような設備は一般的に利用できません。 中性子を放出する
唯一の放射線源が californium252 で、高いコストがかかり、
半減期はたった 2.65 年です。

X 線フィルムも中性子エネルギーに反応しますが、ガドリニウムとカドミウムの増感紙と
組み合わせないと、有益な結果は得られません。 Agfa D3SC (SC = 単一加工)
フィルムは、この目的のために頻繁に使用されます。 増感紙で生成される二次放射線
によって画像形成が起こります。

非破壊試験でフィルムを使用しない中性子ラジオグラフィのもう 1 つの用途
が、絶縁体での水分の検出です。 市場に出ているこのポータブル機器は、非常に弱い中性子源を使用します。
この中性子後方散乱手法を利用して、水の存在、実際には水素原子の存在を
確立します。 水分が存在するということは、
一般的にパイプ内に外部腐食がある、もしくは近々腐食が発生する可能性があることを示しています。
前回のセクションで説明したこのポータブルのリアルタイム機器、または後のセクションで
説明するフラッシュ X 線撮影は、絶縁体を排除することなく、
一部のケースで腐食のありなしを確認できます。